最近、これまで触れなかったボーカロイドの音楽(以下、ボカロ音楽)を聴き始めました。
そして色々聴くにつれ、次第にボカロ音楽の奥深さと幅広さに魅了されるように。
しかし、「ニコニコ動画」が中心の文化であることから、「アルバムで視聴する人」は少ないように思います。
また(かくいう自分もそうだったのですが)ボカロ音楽に「どれも同じような曲調」という偏見を持つ人が少なからずいる気がします。
本記事では、様々な国/ジャンルのボーカロイドのアルバムを紹介し、「ボカロの魅力」をお伝えできればと思います。
なお、ボカロ音楽について自分もまだ勉強中ですので、もし説明に誤りなどございましたら、ご指摘頂けますと助かります。
この記事で、自分のようにボカロ音楽を聴き始める人が少しでも増えれば幸いです。
*本記事ではUTAUなど「本来はボカロに含めない」合成音声も、便宜上「ボカロ」で取り扱ってます。またボカロPについて、敬称略で表記しておりますが、ご了承下さい
【ロック】
【ロック】
ボカロ音楽の主流とも言えるロックサウンドの作品を、有名なボカロPを中心に紹介
ボカロ黎明期の名曲たち
- supercell (supercell)
発売年: 2009年
ジャンル: ロック
YouTube
「メルト」を筆頭にヒット曲を連発し、黎明期のボカロを支えた伝説のボカロP「Ryo」が所属する「supercell」が出したメジャーデビュー作
ひとこと感想
ボカロ黎明期を代表する名曲たちをリミックスのうえ収録した作品で、ボカロの歴史を語るうえで外せない一枚。ボカロではないが、次作も人気作だ
初音ミクの物語
- 初音ミクの消失 (CosMo@暴走P)
発売年: 2010年
ジャンル: ロック
YouTube / Apple Music
ニコ動に上がった「消失」シリーズの14曲を収めた、初音ミクを主人公とするコンセプトアルバム。BPMが200をも超える超高速の歌唱が特徴
ひとこと感想
ボカロならではの超高速の歌唱、ミクをキャラに見立てた物語、その後の小説化やリメイクなど、「ボーカロイド文化」の記念碑的作品と言えるのでは
米津玄師がまだ「ハチ」だった頃
- Official Orange (ハチ)
発売年: 2010年
ジャンル: ロック
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2009年から「ハチ」名義で、wowakaやDECO*27とともにニコニコ動画に数々のヒット曲を送り出した米津玄師が自主制作した2作目
ひとこと感想
この後の本名名義の「diorama」とも繋がる疾走感溢れる音楽、複雑ながらもキャッチ―に纏める構成力で、まさに「米津玄師」の核を感じさせる一枚
今なお支持され続ける夭折の天才
- アンハッピーリフレイン (wowaka)
発売年: 2011年
ジャンル: ロック
YouTube
2019年に31歳の若さで亡くなるまで、数々のヒット曲でボカロシーンを席巻し、ロックバンド「ヒトリエ」でも活躍したwowakaの1作目
ひとこと感想
ボカロ音楽の雛形ともなった「ボカロならではの高音で早口のメロディー」、彼の音楽がどれだけ強い影響力を放ち続けているかが窺い知れる重要作
音楽都市「アザレア」の物語
- アザレアの心臓 (トーマ)
発売年: 2013年
ジャンル: ロック
YouTube
数々のヒットを放ったボカロPの初の一般流通盤。7曲目と13曲目は本人歌唱。この後に突如姿を消すが、現在は「Gyason」名義で活動中
ひとこと感想
ポストハードコアがルーツにあるだけあり、変則的でエッジーなサウンド、意外性のある展開が魅力。架空の都市がテーマの歌詞も興味深い
「カゲロウプロジェクト」という物語
- メカクシティデイズ (じん)
発売年: 2012年
ジャンル: ロック
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- メカクシティレコーズ (じん)
発売年: 2013年
ジャンル: ロック
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じん(自然の敵P)による1作目と2作目。全ての楽曲の歌詞が一つの物語となる「カゲロウプロジェクト」は小説化やアニメ化など空前のブームに
ひとこと感想
「プロジェクト系」と称される数々のストーリー型プロジェクトが生まれるなど、影響力は絶大。ミュージックビデオで見れば、より世界観に没入できる
夏の終わりの1日
- 花と水飴、最終電車 (n-buna)
発売年: 2015年
ジャンル: ロック
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現在はロックバンド「ヨルシカ」のギタリストとしても活躍するボカロPによる、「夏の終わりの1日」をテーマにしたメジャー1stアルバム
ひとこと感想
ギターを中心とした清涼感あふれるサウンド、夏をテーマに哀愁や切なさを感じさせる世界観、その後の活躍も頷ける完成度。夏にぜひ聴きたい作品だ
ボーカロイド × ミクスチャーロック
- GHOST (DECO*27)
発売年: 2016年
ジャンル: ロック
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2008年からヒット曲を連発し、現在まで第一線で活躍し続ける大御所の5作目。大ヒットした一曲目など、ヘヴィなミクスチャーロックが特徴
ひとこと感想
ヘヴィでアグレッシブなバンドサウンドながら、全体的に聴きやすく纏まった作風で、ベテランながらの安定感と実力を感じさせる一枚
唯一無二のセンス
- ねむるピンクノイズ (いよわ)
発売年: 2019年
ジャンル: ロック
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自身のMVなども手掛けるボカロP(名前は胃が弱いことから)の1作目。不協和音などの違和感/不安定さを積極的に入れ混ぜるその音楽性は強烈
ひとこと感想
曲はどれも歪で一筋縄にはいかないが、破綻させずにキャッチーに纏め上げる力量は、もはや天性のセンスによるものと言うほかないだろう
初の海外コンサート
- MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES “はじめまして、初音ミクです” (V.A.)
発売年: 2011年
ジャンル: ポップ/ロック
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前年の「感謝祭」を経て、2011年に米国ロサンゼルスで行われた初の海外コンサートのライブ盤。全編が生演奏で、初期の代表曲を24曲収録
ひとこと感想
生楽器による演奏、熱気や臨場感溢れる録音など、ライブならではの魅力が詰まっている。黎明期のベスト盤的な収録曲なのも嬉しい
【オルタナティヴ / ラウド】
【オルタナティヴ / ラウド】
海外のロックやメタルに影響を受けたような激しく尖ったサウンドの作品を紹介
ボーカロイド × オルタナ
- BLUE ENDING NOVA (はるまきごはん)
発売年: 2016年
ジャンル: オルタナティヴ
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イラストからアニメーション制作(スタジオごはん)まで幅広く手掛けるボカロPによる、「宇宙」をテーマにしたという1作目
ひとこと感想
エモーショナルでオルタナ風味なギターロックで、高音域で掠れるミクのボーカルが爽快感を増す。ジャケのように爽やかな後味が残る作品
ボーカロイド × シューゲイザー
- Stray Light (Wintermute)
発売年: 2009年
ジャンル: シューゲイザー
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徐々に人気を増していってる、ボカロ(主に初音ミク)とシューゲイザーを組み合わせた「ミクゲイザー」、その元祖ともいえる作品
ひとこと感想
轟音のギターロックやエフェクトがかかったボーカルは、Rideなどのバンドを彷彿させる。本作が気に入った方は、下記の蕨餅氏の記事で他の作品も
ボーカロイド × ポストハードコア
- 発見集 (翁)
発売年: 2014年
ジャンル: ポストハードコア/シューゲイザー
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2010年から活動する「翁」(老人P)の1作目。バンド経験者ならではの、ポストハードコア/シューゲイザーの迫力あるサウンドが特徴
ひとこと感想
手数の多いドラムやひたすらヘヴィなギターなど、かわいいジャケ/タイトルからは想像できない激しい演奏に終始圧倒される
ボーカロイド × ポストロック
- 音のない部屋の中で (whoo)
発売年: 2010年
ジャンル: ポストロック
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初音ミクの歌に合わせ、ギターやメロディオン、ベースや木琴などの楽器の演奏のほとんどを生録音したという、オーガニックな音触りの1作目
ひとこと感想
なんといっても、生演奏ならではの抜けの良い音色が魅力。様々な楽器が有機的に絡み合う演奏は、どこかトクマルシューゴを彷彿させる
ボーカロイド × ノイズポップ
- touched, or been touched by (EP) (Twinkle Park)
発売年: 2021年
ジャンル: ノイズポップ
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レーベル「Pop Spirit」の共同創設者で、アニメ系YouTuber「Hazel」としても知られるアメリカのボカロPによる5曲入りEP
ひとこと感想
わずか8分足らずという短さながらも、エモーショナルなノイズポップでノンストップに駆け抜ける本作の「爽快感」は他では得難いものが
ボーカロイド × インディーポップ
- Funeral (メル)
発売年: 2019年
ジャンル: インディーポップ
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ドリームポップなどの洋楽から影響を受けた、インディー色が強いサウンドが特徴の2作目
ひとこと感想
甘酸っぱく爽やかなメロディー、洋楽からの影響を色濃く感じさせる音楽性、普段ボカロ音楽を聴かない音楽好きにも聴かれて欲しい作品
ボーカロイド × メタル
- GREATEST SHITS (鬱P)
発売年: 2018年
ジャンル: メタル
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シャウトやグロウルなどを多用した過激な歌唱、ラウド系のロックを得意とする「鬱P」の活動10年を記念に、人気曲を19曲収録したベスト盤
ひとこと感想
ヘヴィでメタリックなリフ、初音ミクの激しい歌唱など交えながらも、どの楽曲もメロディアスかつキャッチ―で聴きやすい。ラウドロック好きに是非
ボーカロイド × エモ/スクリーモ
- Planetary Suicide (ゆよゆっぺ)
発売年: 2011年
ジャンル: エモ/スクリーモ
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ラウドロックを軸にスクリーモならぬ「ミクリーモ」というスタイルで活動するボカロPの3作目。自身もバンド活動中で、最後の曲は本人歌唱
ひとこと感想
哀愁ただようメロディーに、激しいギターやミク/ルカのスクリームが被さる様は爽快。ジャケが怖い
独特のポップネス
- しう (MARETU)
発売年: 2019年
ジャンル: ロック
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独特の歌詞や音楽性で人気を博すボカロPの2作目。ヘヴィメタル風の激しい曲調を、チップチューン風のサウンドを取り入れてポップに演奏する
ひとこと感想
1作目も人気だが、よりコンパクトに纏まった本作を。ヘヴィな曲調にもコミカルで意表をつく展開を取り入れたり、独特のポップネスが気持ちいい
ボーカロイド × シンフォニックプログレ
- Miku Epic (GR-M3)
発売年: 2018年
ジャンル: シンフォニックプログレ
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ドイツ出身のボカロPによる、初音ミクを使ったシンフォニックプログレ。プログレらしく長尺の曲のみを収録した本シリーズは3作目まで出ている
ひとこと感想
イエスのパロディのようなジャケが微笑ましいが、70sロックへの愛を感じさせる内容で決して侮れない。本格的なプログレが楽しめる作品
【ポップ / テクノポップ】
【ポップ / テクノポップ】
テクノサウンドを基調としたものや、よりポップな作品を紹介
全てはここから始まった
- Re:Package (Livetune)
発売年: 2008年
ジャンル: エレクトロポップ
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ボカロ界隈で初のメジャーデビューを果たした「kz」が所属する「Livetune」の1作目。初週で2万枚を売り上げ、オリコンで5位を記録するなど話題に
ひとこと感想
オートチューンで加工された初音ミクの歌声がテクノ調の音楽を引き立てる。ボカロ初のメジャーアルバムとなった本作は、今聴いても決して古びない
初音ミクをいかに人間に近づけるか
- グレイテスト・アイドル (Mitchie M)
発売年: 2013年
ジャンル: エレクトロポップ
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ボーカロイドの発声を本物の人間に近づけた「神調教師」による1作目。本業が作曲家なのもあり、確かなダンスミュージックを聴かせてくれる
ひとこと感想
ボーカルは言うまでもなく、ポップでバラエティに富んだ楽曲のクオリティもどれも高く、ボーカロイドに抵抗がある人にこそ聴いてほしい作品
ボーカロイド/歌い手
- No Title+ (ボーカロイド)
発売年: 2014年
ジャンル: テクノポップ
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- No title- (れをる)
発売年: 2014年
ジャンル: テクノポップ
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ギガ/れをる/お菊からなる「あにょすぺにょすゃゃ」の1作目。この2枚は楽曲は同じだが、前者はボカロ、後者は歌い手「れをる」による歌唱
ひとこと感想
前者はギガPのキャッチーな楽曲、後者は歌い手として国内外で人気を誇る「れをる(Reol)」の歌唱と、それぞれの聴きどころを楽しみたい
ボーカロイド × 人間
- Antenna (ピノキオピー)
発売年: 2015年
ジャンル: エレクトロポップ
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イラストや動画も手掛ける多才なボカロPの6作目。合成音声とともに「自身も歌う」という独自の作風を取り入れたことで、本作は転換点となった
ひとこと感想
試行錯誤の中で生まれた実験色が強いサウンドが魅力。ここで吹っ切れて人間のボーカルが全開となる次作『HUMAN』への流れも感動的だ
ボーカロイドファン以外にも
- Piece of Cipher + (ELECTROCUTICA)
発売年: 2013年
ジャンル: アートポップ
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拍子や曲調が次々と展開する「変拍子の貴公子」ことTreowが、喜多嶋時透と「ELECTROCUTICA」を結成、1作目を再編してインスト盤と共に出した
ひとこと感想
ミクのボーカルも楽器のように操り、ポップながらもジャジーでテクニカルな演奏に引き込まれる。様々な音楽好きに幅広く聴かれてほしい名盤
まるで一本の映画のような
- ボーカロイドは終末鳥の夢を見るか (Sasakure.UK)
発売年: 2010年
ジャンル: ビットポップ
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チップチューンのピコピコサウンドや独特の世界観で人気を集める「ささくれP」(ササクレ・ユーケイ)による、ポップでどこか切ない音世界
ひとこと感想
ポップで明るい序盤から徐々にメランコリックになるアルバムの流れに惹きこまれた。一本の映画を見終わったような、何とも言えない後味が残る
生音とエレクトロニカ
- 夢のまにまに (椎名もた)
発売年: 2012年
ジャンル: エレクトロポップ
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当時16歳だった「ぽわぽわP」(椎名もた)がGINGAレーベルから出した1作目。生音とエレクトロニカが入り混じる、浮遊感のある作品
ひとこと感想
「ぽわぽわP」名義で出した『AWARD STROBE HELLO』とどちらを選ぶか迷ったが、より安定感のある本作を。早すぎる逝去が悔やまれる
ボーカロイド × プログレ
- RAVEN WORKS VOCAL WORKS (西島尊大)
発売年: 2018年
ジャンル: プログレポップ
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2017年までの6年間で出した楽曲を纏めたアルバム。初音ミクを使い、ポップながらも転調や変拍子を多く用いたテクニカルな曲調となっている
ひとこと感想
全体的に目まぐるしく展開する音楽はまさにプログレ的。1時間40分の長尺でも聴き飽きない
ボーカロイド × ラップ
- WALK (23.exe)
発売年: 2020年
ジャンル: Kawaii Future Bass
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エレクトロミュージック系の楽曲を中心に活動する「23.exe」(ニサンドットエグゼ)による、(前作に引き続き)Hip-Hopを取り入れた5作目
ひとこと感想
ボカロによるラップは技術力を要することから希少ながらも、本作でのラップはポップでユルい曲調に溶け込んでて違和感なく聴くことができる
ひとこと補足
ボカロとHip-Hopの組み合わせを「ミックホップ」と呼び、コンピ盤なども
ボーカロイド × 渋谷系
- しゅがー☆ぱーてぃくる (Shibayan)
発売年: 2008年
ジャンル: アキシブ系
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都会的でお洒落でキャッチー、いわゆる渋谷系のような音楽を手掛けるボカロPの1作目。アルバムの後半はボーカル抜きのトラック集
ひとこと感想
ピチカートファイブを思わせるようなポップで可愛らしい音楽で、ジャケも素敵だ。ちなみに本人はテクノ畑の人らしく、最後の曲にそれが表れてる
ひとこと補足
「ボカロ渋谷系」というジャンルもある。なお初音ミクが渋谷系の名曲をカバーするアルバムも
万華鏡のようなサウンド
- きくおミク6 (きくお)
発売年: 2019年
ジャンル: ポップ
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その独特の不思議な世界観で国内のみならず国外でも根強い人気を誇る「きくお」の6作目。音響面でより実験性を増し、シリーズでも人気が高い一作
ひとこと感想
どこかメルヘンチックな世界観に、ジェイムス・ブレイクやFKAツイッグスなどを彷彿させる立体的でアブストラクトな音響が刺激的な作品
不穏なダンス音楽
- 審問少女 VS 青春の殺人者 (EP) (kiichi)
発売年: 2011年
ジャンル: エレクトロポップ
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エレクトロニカ系を中心に作曲する「kiichi」(なんとかP)の2nd EP。ルカを中心に、アップテンポながらもダウナーな音楽が続く
ひとこと感想
不協和音や性急なビートで終始不穏なムードが漂うが、同時にドラッギーな快感も感じさせる怪作
ボーカロイド × レゲエ
- イーストエンド・パンデモニウム (takamatt)
発売年: 2013年
ジャンル: レゲエ/R&B
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2009年からR&Bやレゲエを中心に作曲するボカロPの2作目。ジャケにも映ってるGUMIや初音ミク、鏡音リン/レンが代わる代わる歌う
ひとこと感想
ボーカロイドを複数登場させたり、ダブステップや和のテイストを取り入れた音楽など、緩急のある構成でバランスが上手く取れた作品
【テクノ / エレクトロ】
【テクノ / エレクトロ】
ダブステップやドラムンベースなど、より電子音楽の比重が大きい作品を紹介
ボーカロイド × ダブステップ
- SECRET. (Osanzi)
発売年: 2020年
ジャンル: ブロステップ
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ダブステップなどEDMを得意とするボカロP、Osanzi (おさんじ)の5作目
ひとこと感想
ミクの変幻自在なボーカルと激しいEDMの相性の良さを感じさせてくれる快作。3曲目「Secret Lie」だけでも是非聴いて欲しい
ボーカロイド × ドラムンベース
- Arkhē (Lemm)
発売年: 2012年
ジャンル: ドラムンベース
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2011年から初音ミク Append sweetをボーカルにすえてエレクトロニカやドラムンベースの作品をリリースしている「Lemm」(レム)の1stアルバム
ひとこと感想
躍動感に溢れるドラムンベースに、ピアノの美しいメロディーと初音ミク Appendのクリアボイスが溶け合う、非常に完成度の高い作品
ボーカロイド × ブレイクコア
- 奈落の虹 (廻転楕円体)
発売年: 2017年
ジャンル: ブレイクコア
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ONEが歌い上げる抽象的な歌詞に、静謐なピアノ演奏を交えながら、強烈で緻密なブレイクビートが聴き手の脳を容赦なく揺さぶってくる
ひとこと感想
「静と動」のコントラストが織りなす音楽、幾何学模様のアルバムジャケなど、本作に通底する強い「美意識」も唯一無二の魅力となっている
ボーカロイド × エレクトロニカ
- 海の名前 (EP) (KAIRUI)
発売年: 2022年
ジャンル: エレクトロニカ
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2021年から活動する新人ボカロPによる、海をイメージさせる4曲入り1st EP
ひとこと感想
まるで水中にいるかのような幻想的でたゆたうエレクトロニカのサウンドに、初音ミクの穏やかなボーカルが心地良く溶け合う作品
ボーカロイド × ハウス
- TWO WORLDS Reprise (ZANIO)
発売年: 2022年
ジャンル: ディープハウス
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本作収録の「ペヤングだばぁ」など、ネタ的な曲すらも無駄に高い音楽性で届ける「ざにお」(パイパンP)の初メジャー作(2014年)に2曲追加
ひとこと感想
ネタ的な意味で取り上げられがちな人物だが、インスト曲を多く収録した本作は、息を呑むような美しいハウス音楽となっている
ドリーミーな音世界
- Halfawake (EP) (Strawberry Hospital)
発売年: 2016年
ジャンル: エレクトロポップ
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テキサス州出身のボカロPのトランス/エレクトロポップの1st EP。本作以降はメンタルヘルスと向き合い、ハードなサウンドを追求するように
ひとこと感想
シューゲイザーからの影響もあり、わずか4曲ながらもアルバムジャケのように幻想的でドリーミーな世界に浸ることができる
冬のような儚い音楽
- White Girl (mus.hiba)
発売年: 2014年
ジャンル: エレクトロポップ
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東京在住の「mus.hiba」(ムシバ)の1作目。アルバムジャケは、本作で歌っている「雪歌ユフ」(UTAU)をモチーフにしたもの
ひとこと感想
音数の少ないビートに浮遊するシンセ、そこに「雪歌ユフ」のウィスパーボイスが溶け合って紡ぎ出される音楽は、まさに夢心地のよう
【その他】
【その他】
ジャズやクラシックなど。ボカロ音楽の世界は幅広い。まだまだ紹介しきれないほどのジャンルが存在する
ボーカロイド × ジャズ
- RRRepeat!!! (GYARI)
発売年: 2017年
ジャンル: ジャズ
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ジャズセッション風の楽曲を得意とし、イラストや動画も全てこなすマルチタレントのGYARI(ココアシガレットP)による、1時間以上のセッション音源
ひとこと感想
ミリオン達成曲で史上一番長いとされる元音源(下記動画)は30分で、長尺でも最後まで聴き飽きない。この人の動画のコミカルなイラストも必見
ボーカロイド × ビッグバンドジャズ
- こころすうぃんぐ (しんぱす&His Jazz Orchestra)
発売年: 2017年
ジャンル: ジャズ
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バークリー音楽大学にてジャズピアノを専攻し、その後も国際的に活躍する水谷晨による作品で、初音ミクとビッグバンドの共演。ドラムは石若駿
ひとこと感想
ビッグバンドによる軽快でエネルギッシュな演奏(生録音!)に、ミクやルカのスウィングするボーカルが気持ちいい本格派ジャズ
ボーカロイド × クラシック音楽
- クラシカロイド ショパン ムジーク (挿入歌) (EHAMIC)
発売年: 2018年
ジャンル: ポップ/サントラ
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2016-17年に放映されたアニメ『クラシカロイド』のショパン役の歌を集めたサントラ。作曲家は図書館司書で、プロの作曲家でもあるEHAMIC
ひとこと感想
ショパンの様々な名曲をポップにアレンジし、それをボカロのギャラ子が歌うという内容。ボカロならではのアクロバティックな歌唱も楽しめる
ひとこと補足
本作収録の「小犬のカーニバル ~小犬のワルツより~」は映画『ガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:VOLUME 3』でも使われた(下記動画)
ボーカロイド × 聖歌隊
- アヴェ・マリア/初音ミクwithボカロ聖歌隊によるクラシック (初音ミクとボカロ聖歌隊)
発売年: 2018年
ジャンル: クラシック
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ゲーム音楽などを手掛ける上原一之龍氏による作品。初音ミクがオーケストラを伴奏に、他のボカロたちと賛美歌などのクラシック音楽を歌う
ひとこと感想
ミクの真っ直ぐな歌声に癒される一枚。なおニコ動には「ボカロクラシカ」や「VOCALOID合唱団」のタグがあり、音楽祭も毎年行われている
ボーカロイド × 民族音楽
- VOCALOID民族調曲集 (V.A.)
発売年: 2011年
ジャンル: ケルト/アイリッシュ
YouTube
民族調の楽曲を集めたコンピレーションCD。ボーカロイドの中では比較的影が薄いKAITOだが、本作では多くの曲でボーカルを務めている
ひとこと感想
音楽性はケルト/アイリッシュ音楽をイメージすると良いかも。ザバダックなどが好きな人に。本作が気に入った人は、「仕事してP」の作品も
初音ミク × オペラ
- ATAK020 THE END (渋谷慶一郎+初音ミク)
発売年: 2013年
ジャンル: サントラ/オペラ
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2012年にパリをはじめ世界中で公演が行われた、初音ミク主演による人間不在の「ボーカロイド・オペラ」のサウンドトラック
ひとこと感想
「死」をテーマにした物語は抽象的で難解、音源だけでは全容を掴むのが難しいので、YouTubeに上がってる映像での視聴がオススメ
ひとこと補足
ボカロと文楽人形がコラボした短編映画『ボーカロイド オペラ 葵上 with 文楽人形』というものも
【アバンギャルド】
【アバンギャルド】
ボーカロイドという音楽の固定概念を覆す、メジャーから外れたような尖った音楽、そうした前衛的な作品を紹介
ボカロ「アングラ」シーンの極北
- Eutopia (大高丈宙)
発売年: 2012年
ジャンル: インダストリアル
YouTube / Spotify / Apple Music
バンド「処女A」でも活躍する「ヒッキーP」の1作目。カオティックな音楽性にリンの絶叫ともいえる歌声、従来のボカロ像を覆す衝撃作
ひとこと感想
著者がボカロ音楽に興味が湧くきっかけとなった作品。雑多な音楽のルーツ(記事/記事)など、ただノイジーなだけではない予測不能の部分も魅力
いろいろ詰め込んだ闇鍋
- 抱いて (大丈夫P)
発売年: 2012年
ジャンル: エクスペリメンタル
YouTube
名前に反して「全然大丈夫じゃない」カオスな音楽/歌詞で、ヒッキーPにも影響を与えたボカロPの作品。まさに闇鍋とも言える混沌とした内容
ひとこと感想
ハードコアではあるものの、思っていたよりもコミカルで聴きやすく、すぐにこの独特の世界観の虜に。ジョン・ゾーンなど好きな人に
ひとこと補足
ニコニコ大百科で作品解説を本人がしている。なんなら本人解説も本人がしている
退廃的な美しさ
- おわりのはじまり (ばぶちゃん)
発売年: 2014年
ジャンル: エレクトロ/ノイズ
Spotify / Apple Music
初音ミクとともにピアノとノイズを多用し、どこか退廃的で狂気的なまでの世界観をエレクトロニカで表現する赤子ボカロPによる1作目
ひとこと感想
ノイズで塗り潰されたゴシック調のサウンドに、自分はバンド「world's end girlfriend」を思い浮かべた。世界観を体現したジャケも素晴らしい
しずかな絶望に満ちた「うた」
- 魂のための歌 (憂鬱)
発売年: 2015年
ジャンル: アヴァンフォーク
YouTube / Bandcamp
英国のボカロPが「蒼姫ラピス」とともに作り上げた、儚く美しくも、憂いと不安に満ちた音楽
ひとこと感想
リバーブにまみれた不協和音、支離滅裂な日本語歌詞、聴き手の心を不安と悲しみ、覗いてはいけないものを覗いたような背徳感にかけさせる
音量ボリュームには注意を
- ララのうた ~THE BEST OF わたしのココ VOL.1~ (わたしのココ)
発売年: 2023年
ジャンル: アートポップ
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活動15周年記念に初期音源を集めたベスト盤。音声合成ソフト「LaLaVoice」が歌い上げる、情念が渦巻く歌詞、鼓膜を破るような轟音のノイズ
ひとこと感想
少女のコンプレックスが前面に出た歌詞は森田童子などを彷彿させる。サブスクにはないが、この世界観を味わうには他のアルバムの視聴もオススメ
酷く歪められたボーカル
- Present (EP) (Puhyuneco)
発売年: 2020年
ジャンル: グリッチポップ
YouTube / Spotify / Apple Music / Bandcamp
ディストーションがかかった音像に激しく歪められた初音ミクのボーカルが乗るなど、その先鋭的な音作りが話題となった4曲入りEP
ひとこと感想
10代の頃にArcaやworld’s end girlfriendを聴いてたらしく、このアブストラクトな音像は確かに。合成音声の新たな可能性を感じさせる怪作
ボカロアングラシーン
アルバム紹介の途中ですが、少し余談を。
「マイナーで個性的」なボカロ音楽を紹介する「VOCALOID・アンダーグラウンド・カタログ」をご存じでしょうか。
その歴史は古く、2008年にニコニコ動画にアップされた動画から始まりました。
そしてこの企画を始めたのが、本記事のアルバム紹介で取り上げた「ヒッキーP」氏です。
この「ヒッキーP」氏の企画に端を発して、それまで陽の目を浴びなかった楽曲を紹介し合う独自のシーンが生まれます。
※ただし、選出基準を設けることの難しさなどから、2017年にアップされたPart38が最後になっています
実は私がボカロ音楽に興味を持ったのも、この「ヒッキーP」氏の音楽に触れ、「こんなものもあるのか」と衝撃を受けたからでした。
再生回数やマイリス数で人気が可視化されるボカロ音楽ですが、「メジャーから外れた作品」にも魅力的な音楽が沢山あります。
本記事では、そうしたマイナーで尖ったボカロ音楽にも焦点を当て、より多くの人に興味を持っていただけたらと思っています。
なお、他にも「実験的/前衛的」なボカロを聴きたい人は、下記の「Flat」氏と「ヒッキーP」氏のプレイリストをお勧めします。
【企画 / コンピ盤】
【企画 / コンピ盤】
有名な音楽のカバー集や、数々のボカロPが参加する作品を紹介。なお、他にもこうしたコンピ盤は沢山ある
初音ミク meats YMO
- Hatsune Miku Orchestra (HMOとかの中の人。(PAw Lab.))
発売年: 2009年
ジャンル: テクノポップ
YouTube / Spotify / Apple Music
日本のテクノ音楽グループ「YMO」の楽曲を初音ミクでカバーするHatsune Miku Orchestraこと「HMO」の第一人者によるアルバム
ひとこと感想
新たに生まれ変わったYMOサウンド、ファンにもそうでない方にも。他にもYMO『増殖』をモチーフに、書き下ろしのコントを載せたアルバムも
初音ミク meats ニューウェイヴバンド
- 初音ミク sings ニューウェイヴ (V.A.)
発売年: 2011年
ジャンル: ニューウェイヴ
YouTube / Spotify / Apple Music
80年代の日本のニューウェイヴの名曲をボカロでカバーしたアルバム。「パール兄弟」のサエキけんぞうがプロデュースし、数々のボカロPが参加
ひとこと感想
戸川純やP−MODELの名前で反応する人は是非視聴を。同じプロデューサーで、他にもハルメンズや80sパンクをカバーしたアルバムも
初音ミク meats 80sシンセポップ
- The First Sound of The Future (Astrophysics)
発売年: 2022年
ジャンル: シンセポップ
YouTube / Spotify / Apple Music / Bandcamp
ブラジル在住のボカロPによる、A-haやNew Order、Depeche Modeなどの海外の80年代シンセポップの名曲カバー集
ひとこと感想
初音ミクの無機質なボーカルが正しく音楽の魅力を引き立てる快作。不穏なジャケも良い。ゴス音楽のカバー集も出してるので、是非そちらも
インドネシアのボーカロイド
- VOCALO.ID 3 (V.A.)
発売年: 2013年
ジャンル: ポップ/ロック
YouTube / Spotify
インドネシアのボカロ集団「VOCALO.ID」(ボカロドットアイディ)によるコンピ盤の第3弾。英語やインドネシア語、日本語で歌われる
ひとこと感想
3ヶ国語が飛び交うことで異国情緒を感じさせながらも、楽曲の質はどれも高い。インドネシアのボカロだと、このメタルのアルバムもオススメ
ひとこと補足
ニコニコ動画が禁止された中国では、ボカロ愛好家が「bilibili 動画」を設立、中国版ボカロ「洛天依」とともにで独自のボカロシーンを築いている
海外人気も高い一枚
- mikgazer vol.1 (V.A.)
発売年: 2012年
ジャンル: シューゲイザー
YouTube / SoundCloud
初音ミクとシューゲイザーを組み合わせた「ミクゲイザー」、それらの曲を12曲集めたコンピ盤
ひとこと感想
楽曲の質はどれも高く、海外音楽批評サイト「Rate Your Music」でも高評価。サブスク解禁が待たれる一枚。実は同じような作品がもう一枚ある
合成音声の入門に
- 合成音声ONGAKUの世界 (V.A.)
発売年: 2018年
ジャンル: エレクトロポップ
Spotify / Apple Music
著者がツイッターでも繋がってるスッパ氏が監修で、JPOP、R&B、エレクトロニカなど様々なジャンルを様々な「合成音声」で横断するコンピ盤
ひとこと感想
実験性に溢れながらも、ジャケも音楽性もどこかポップで可愛らしく、巷のボーカロイドに抵抗を覚える人にこそ聴いてほしい一枚
アバンギャルドなボカロコンピ盤
- 0002:a galaxy odyssey (V.A.)
発売年: 2011年
ジャンル: エレクトロポップ
YouTube / Spotify / Apple Music
知名度や人気に関係なく、知られざる「良質なボカロ音楽」を取り扱うGINGAレーベルによるコンピ盤の2作目。1作目と同時発売で、現時点で全5作
ひとこと感想
キャッチーなものから前衛的なものまで幅広く揃えており、決して一枚岩ではないボカロシーンの芳醇さを知るには最適なシリーズなのでは
先鋭的なポップス
- 合成音声のゆくえAlter (V.A.)
発売年: 2023年
ジャンル: エレクトロポップ
YouTube / Spotify / Apple Music
先鋭的なポップスを集めるネットレーベル「ゆくえレコーズ」から新進気鋭のボカロPたちが参加。1作目や2作目とともに、より前衛的なのが本作
ひとこと感想
メジャーシーンから少し外れる実験性を持ちながら、ポップで楽しい一枚。1作目や2作目もクオリティが高く、サブスクで聴けるので、是非そちらも
プレイリスト
本記事で選んだアルバムから一曲ずつ選曲したプレイリストとなっています。
ボカロ音楽の紹介記事
他にもボカロ音楽を知りたい人のために、私が参考にした記事をいくつかご紹介します。
【アルバム】
アルバムを選ぶにあたって、参考にした記事
- 【VOCALOIDリスナーが本気でオススメするアルバムベスト25】(nikoniko390831氏)
ロックからHip-Hopまで幅広いジャンルでのアルバム紹介記事 - 【インディーロック好きのためのボーカロイド名盤10選】(vordhosbn氏)
インディーロック好きのためのアルバム紹介記事 - 【音楽オタクに聴いてほしいボカロアルバム10選[サブスク/Bandcamp有]】(Flat氏)
ボカロ音楽の中でも先鋭的/実験的な作品も取り上げた紹介記事。全部良い! - 【サブスクで聴けるミクゲイザー入門名盤10】(蕨餅氏)
ボカロによるシューゲイザー(ミクゲイザー)のアルバム紹介記事 - 【4chan】、【Rate Your Music】
海外のボーカロイドのアルバムについては、主にここで情報収集
【ジャンル】
様々なボカロ音楽のジャンルを調べるにあたって、参考にした記事
- 【ボーカロイド曲を紹介していく連載】(ピアプロch)
クリエイター同士が交流する「ピアプロch」で、様々な音楽ジャンル、実例となるボカロ音楽を紹介 - 【vocadb.net/Tag】(VocaDB)
多言語データベース「VocaDB」で、各ジャンルのタグを纏めたページ。自分の好きなジャンルのボカロ音楽を探したいときに - 【VOCALOID関連のタグ一覧】(ニコニコ大百科)
【ニコニコ動画のVOCALOID関連タグのまとめ】(初音ミク Wiki)
ボーカロイドについて一番分かりやすく纏まってるのはこれらのサイト(だと思う) - 【ボーカロイドで学ぶ音楽ジャンル (アーリーアクセス 70%off)】(むっころ氏)
ハウスやダブステップなどの音楽ジャンルをボカロ曲とともに紹介
【ボーカロイド】
「そもそもボカロって何だろう」と思って参照した記事
- 【「ボカロの歴史を変えた曲」 5選(界隈内編)】(すあま氏)
ボカロ史に大きな影響を与えた楽曲を5曲、どのように影響を与えたか解説する記事 - 【1年1曲で見ていくボカロの歴史 ボカロとボカロPの相克【~2019】】(葛西アキ氏)
「ニコニコ動画」のボカロ音楽の変遷を詳細に説明した記事。必読! - 【ボカロ曲の流行の変遷と「ボカロっぽさ」についての考察】(Flat氏)
ボカロ音楽の歴史を代表する楽曲を、それぞれ音楽性の観点から語る一連の記事。必読! - 【ボカロ・UTAU・CeVIO・ゆっくりなどの違いまとめも】(ぱぐ氏)
様々な合成音声についての簡潔なまとめ。この辺かなり複雑で自分もよく分かってないので、他に纏まってるサイトがあれば知りたい - 【中国におけるボーカロイド現象の研究 : bilibili動画への投稿の分析を中心として】(屈, 嘉偉氏)
本記事でも一行だけ触れたが、こうした国外のボカロシーンには興味があるので、他にも誰か詳しい人が纏めた記事があれば読みたい
最後に
現在、米津玄氏やYOASOBIといったボカロ出身のアーティストが邦楽シーンを席巻するなど、ボカロ音楽の影響力は凄まじい状況です。
しかし、最初にも述べたように、ボカロ音楽は他の音楽のように「アルバム単位」で語られることが少ないジャンルです。
例えば、TwitterでJMX (@JmxMbp)氏が企画した「邦楽名盤ランキング」では、圏内にボカロ音楽は「一枚も」入っていません。
その他でも、こうした名盤の記事でボカロ音楽が言及されるのを見た記憶がありません。
自分は「アルバムでの視聴」を慣れ親しんできた人間なので、ボカロ音楽については、どの作品から聴き始めたら良いか分かりませんでした。
「それならばいっそのこと、自分がそうした記事を書けば良いのでは?」
そしてこの記事が誕生しました。
当初は40枚を紹介する予定が50枚になり、それでも「足りない」と結局は60枚に。
他にも入れたかった作品は沢山あり、まだ聴けていない作品も山ほどあります。
まだボカロ音楽を聴き始めて日が浅い「初心者リスナー」ですが、まだ見果てぬボカロ名盤を今後も探求し続けていこうと思います。
この記事が、ボカロ音楽を聴き始める一助となれば、筆者としてこの上ない喜びです。
最後までお読み頂き、
ありがとうございました。
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